出口の無い寒さが続いています。
こんな日は、こたつでぬくぬくとDVDでも見ながら...
を、夢見ている毎日です。
さて、前回の「やさしい自動車テクノロジー」では、407のサスペンションの秘密をご紹介しましたが、
フロントサスだけで打ち止めとなってしまいました。
まだまだ他にも見どころいっぱいの407サスペンションです。
今回は、この続編「リヤサスペンション」をお送りいたします。
続「一人一役」
(今回、小劇場は省略デス)
407のリヤサスペンション(以下リヤサス)はマルチリンク式を採用しています。
(マルチリンクの マルチ とは 4 という意味です。上の図①②③④の4本の棒でリヤタイヤを支えています。)
現在このクラスの乗用車のリヤサスに広く採用されている方式です。
が、しかし、
そこはプジョー。他社とは一味違う、いや、まねできない方式で
「新世代猫足」
を造り出しました。
ここにも 「一人一役」が見えてきます。
通常、他社のリヤサスは4WDをラインナップするため、サブフレームの設計を、下の図真ん中の「デファレンシャルユニット(駆動装置)」が入るスペースを、とらなければならず、形状が複雑、かつ、大柄になってしまいます。共通設計の泣き所、「一人二役」です。
現在、プジョーは4WD車をラインナップしておらず、FF車のみです。が、このことを逆手にとり、FF車のリヤサスとして、最適、かつ、最強のリヤサスに仕上げてきました。
デファレンシャルユニットのスペースが必要なくなるため、サブフレームを左右タイヤの真ん中を貫く構造にし、しかもアルミ鋳造、鍛造の組み合わせで、高剛性、軽量であり、適度にしなる、「新世代猫足」を具現化した構造なのです。
まさにFF車のみの利点を最大限に活用した、
「一人一役」
のリヤサスなのです。
こんな大胆な設計のリヤサスは他社に無い、プジョー独自のものです。
「でも、所詮FFでしょ。」
という方々もいらっしゃると思います。
そんな方こそ、是非一度、試乗してみてください。
「ぼんやり造った4WD車よりも、真っ直ぐ走り、尚且つ、楽しく曲がるFF車。」
が実感できます。
「一人一役」はいいことがいっぱい詰まっています。