今回は故障修理ではなく、少しでもいい状態で車に乗るためのメンテナンスのお話を。
1年点検で入庫した406スポーツ。走行中に違和感があるということで試乗してみると、足回りから異音が発生しているわけでもなく、乗り心地が悪いわけでもない。
お客様のご用命としては
「以前と比べて段差を乗り越えた時に車が不安定になる」
ということでした。
そう言われてみると406スポーツはもっとスムーズに走るような気がする・・・と思いつつ点検してみても足まわりに異常は見られず。
今回入庫した406スポーツは80,000km近く走行しており、足まわりのパーツの劣化により以前のようなスムーズさがなくなってしまったと思われます。
オーナー様はこれからも大切に乗りたいということでショックアブソーバの交換を提案させていただきました。
ショックアブソーバは路面からの衝撃によってたわんだスプリングの振動を、オイルの流動抵抗を利用して素早く吸収する役割があります。
長期間使用していると熱によるオイルの劣化や、伸縮を繰り返すことによるシール類の劣化により徐々に本来の性能を発揮できなくなっていきます。
今回交換したショックアブソーバはオイル漏れはなく、見た目では劣化の具合は判断できません。
交換時にショックアブソーバ単体で新品と比較するとその差がわかります。
動画は約80,000km使用したもの(左)と新品(右)を最も圧縮したところからを撮影したものです。
406スポーツのショックアブソーバにはオイルと加圧されたガスが封入されていて、取り外したショックアブソーバは正常な作動ができていません。
交換後は新車のようとまではいかなくても、段差などでの不安定感は解消できたと思います。
皆様も、もし何か気になるところがありましたらご相談ください。