えー、寒いです。
毎日、とっても寒いです。
体を暖めるため、走りながら仕事してます。
皆様、お元気でしょうか?
今回はネタもそろったので久々に「やさしい自動車テクノロジー」をお送りいたします。
マニア系自動車雑誌では、絶賛の評価をされている 407 のサスペンションの秘密を、できるだけ解り易く紹介いたします。
フロントサスペンション(以下フロントサス)を、かたくなに ストラット式(構造が最も単純な方式)でつらぬいてきたプショー車が、満を持して投入したのが 407 フロントダブルウイッシュボーン式サス です。
(ウイッシュボーンとは、鳥の羽の付け根にある三角形の骨のことです。これが上下に付いているのでダブルウイッシュボーン。ケンタッキーフライドチキンを食べていると、たまに見つけることができます。)
形式こそ、他社と同様なのですが、そこはプジョー、他社とは一味違います。
では、いつものように、小劇場からはじめます。
「とある大工さんの仕事風景」
棟梁 「若造!この山積みブロックを向こうへ運べ!」
若造 「ハイ!」
棟梁 「若造!このコンクリートを練っておけ!」
若造 「ハイ!」
棟梁 「若造!まだブロックが残ってるぞ!」
若造 「....」
棟梁 「どうした!若造」
若造 「もうフラフラです!一人二役なんて出来ません!!」
そうです。一人二役やっているとフラフラになります。
でも、プジョーは「一人一役?」なんです!
自動車のフロントサスは、路面のデコボコをいなす為、上下の動くと同時に、ハンドルを切ると回転する二つの機構をあわせ持っていなければなりません。
ダブルウイッシュボーンサスでは、アッパーアーム(上下の三角形アームの上側)の設計次第で、高級、高性能なサス形式でも、逆にフラフラしてしまうことがあります。
上の比較図で比べてみましょう。
赤丸 回転可動軸
青丸 上下可動軸
某国産ダブルウイッシュボーン
アッパーアーム外側の支点が「一人二役」の為、回転、上下動が同時に起こると、ネジレが発生しフラフラしやすい。
某輸入車マルチリンク
構造上、ほぼダブルウイッシュボーンと一緒です。これも、「一人二役」で支点が動くのでネジレが発生しフラフラしやすい。
プジョー407ダブルウイッシュボーン
回転、上下軸が機構上、完全に分離されており、まさに「一人一役」!
これにより、回転、上下動、それぞれがスムーズに動くことができ、ネジレが発生せず、フラフラしにくい構造になっています。
より解りやすい透視図です。
では、フラフラしないサスペンションの感想は?
「FFなのに4WDより真っ直ぐ走る。」
「乗り心地の良さと、曲がりやすさを同時に兼ね備えている。」
「まるで、ホイールの中に、手を入れて走っているような、それでいて心地よい感触。」
といった、今までに無い、全てを高次元で両立させた自動車に仕上がっています。
このように、他社に無い機構を、コストをかけ、ハイテクな機構を採用しているにもかかわらず、カタログなどで、声高々に誇張せず、すべてをPleasure(プレジャー、楽しみ、爽快感など..)として、ユーザーに提供しているのが、プジョー車、最大の性能、そして魅力です。
ぜひ一度 407 に試乗してみてください。
「一人一役」の意味がきっとわかるハズです。